ムカゴってなに?~ムカゴとヤマノイモについて~

ムカゴってなに?~ムカゴとヤマノイモについて~

庭を見ている時、散歩中の時、ハート形の葉をつけた蔓が他の植物に巻き付いているところを見かけます。

その蔓についている葉の付け根には球状の物体が実のようになっていて、擦ってみるとぬめりがあります。

調べてみるとそれはムカゴで、育つとヤマノイモになるものでした。

そこで今回は、ムカゴとヤマノイモについてまとめてみました。

ムカゴとは?

植物の栄養生殖器官の一つで、脇芽が養分を蓄えて肥大化した部分を指します。主に地上部に生じる物を言い、葉腋(葉と葉のついている茎とのまたになった部分。葉の付け根のところ)や花序に形成され、離脱後に新たな植物体となります。

ムカゴを作る植物はヤマノイモ、ナガイモ、オニユリ、ノビル、ニンニク、ムカゴイラクサ、シュウカイドウ、ムカゴトラノオ、ムカゴネコノメ、ムカゴユキノシタ、カラスビシャク、タマブキ等が主なものになります。

食材としてのムカゴは、一般にはヤマノイモ・ナガイモ等の山芋類のムカゴを指します。

灰色で、球形から楕円形、表面に少数の突起があり、葉腋につきます。

調理法には、塩ゆでにする、煎る、米と一緒に炊き込む等があり、零余子(むかご)飯は晩秋・生活の季語になります。

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ヤマノイモとは?

蔓性の多年草。自然生(ジネンジョウ)、自然薯(ジネンジョ)、ヤマイモ(山芋)とも呼ばれ、粘性が非常に高く日本原産。北海道南西部から本州・四国・九州・台湾および、朝鮮半島、中国に分布する雌雄異株のつる植物で、細長いハート形の葉を持ち、夏には葉腋から穂状の花序を付けます。果実には三つの出っ張りがあり、それぞれに種が含まれています。

種子の他に葉腋に発生する零余子(ムカゴ)によっても増えます。

地下に一本の芋があって、地下へとまっすぐに伸びて1メートル以上に達することもあります。地上部分の成長に従って芋は縮小し、秋には新しい芋へと置き換えられます。

赤土の土壌で採れた芋が風味が良いとされています。零余子は直径1センチメートルほどの球状から、大きなものになると長さが3センチメートルほどに達することもあります。

里山の林道沿いや河川沿いに自生し、やや湿った土壌を好みますが、鬱蒼とした林の中では自生しにくく数は限られ、また高山には分布しません。条件が合えば公園の植え込みでも生育します。

ナガイモとは?

ヤマノイモ科ヤマノイモ属の蔓性の多年草または、その肥大した担根体(根にも茎にも似た部分)です。漢名では山薬(さんやく)、薯蕷(しょよ)と呼ばれます。

ヤマノイモ科の作物は熱帯から温帯と広範囲に分布し、特にヤマノイモ属は種類がきわめて多く、約600種類にも及びます。そのうちの数十種類は食用として利用されています。

熱帯地域での栽培に適した品種が多いですが、ナガイモは寒冷地での栽培も可能です。

中国原産で17世紀に日本移入されたナガイモやダイショのことをヤマノイモ、ヤマイモと呼ぶことがあります。

ヤマノイモと同じ食べ方も可能なため混同されがちですが、全くの別種で、風味にも大きな違いがあります。

採取・栽培

元来は野生の植物で、山へ行って掘り出してくるものでした。秋になって地上部が枯れる頃が収穫時期で、枯れ残った蔓を目印に探します。芋を掘るには深い穴を掘らなければならないので、なるべく斜面になっている場所を探します。掘る道具には掘り棒・掘り鍬と呼ばれる大人の背丈ほどの鉄の棒で、先端が平らになったようなものを使います。

蔓が地面に入り込んだ場所を特定し、その周辺を深く掘り下げて芋を掘り出します。

先端まで掘り出すのには、かなりの注意と忍耐が必要になるようです。上手く掘り出せた場合、蔓の元端に当たる芋の端を残して、穴を埋めるときに一緒に埋めておけば翌年も芋が生育し、再び収穫することができます。

現在はムカゴの状態から畑で栽培されており、流通しているものは栽培されたものが多いです。収穫しやすいように、細長い塩化ビニールパイプや波板シートを使って栽培されます。

なお、天然もの(自然薯・自然性)は、掘り出した後の穴が放置されると転落、転倒の原因になったり、掘り出す行為そのものが山の斜面の崩壊を助長する等の理由で、山芋掘りが禁止されている場合が多いです。

また、意図せずして庭に自然発生してしまった場合などは、完全な駆除が難しく注意が必要です。

利用法

長く伸びる根を芋として食用とします。ムカゴは主に加熱調理して食用にしますが、そのままでもカリカリとした食感が楽しめて、すりおろすと芋同様に強い粘りがあります。

生で食べられる理由として、ヤマノイモが大量に含むアミラーゼがデンプンの消化を促進するためと信じられてきましたが、近年の研究では否定されています。

とろろ

すりおろしてから白醤油や出汁等を加えてのばし、とろろにするのが代表的な調理法です。

とろろを伸ばして麦飯もしくは麦入り米飯にかけた「麦とろ」があり、東海道五十三次の鞠子宿(現、静岡県静岡市駿河区丸子)の名物とされましたが、鞠子宿のとろろ汁は、自然薯を味噌でのばした物が供されたようです。

とろろ芋をすりおろしたものを「山かけ」と称し、「まぐろの山かけ」や「山かけ蕎麦」がありますが、こうした山かけの料理や、うどん等に自然薯のとろろ使用をうたった飲食店もあります。また、自然薯をそば粉に練り込んで打った自然薯蕎麦も蕎麦処で出されています。

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ヤマノイモは、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)、かるかん、栗きんとん、など、和菓子の材料にもなります。

とろろを出汁でのばさずに海苔で包んで揚げる料理もあり、磯部揚げと呼ばれています。

ヤマノイモを生のまま短冊切り等の食べやすい形に切って、生野菜とともにサラダにする食べ方も現代ではあります。断面に若干の粘り気があり、オクラのような食感が楽しめます。

薬用

山薬(さんやく)は本来、ナガイモの漢名ですが、皮をむいたヤマノイモまたはナガイモの根茎を乾燥させた生薬もこのように呼ばれます。

日本薬局方にも収録されており、滋養強壮、止瀉、止渇作用があり、八味地黄丸(はちみじおうがん)、六味丸(ろくみがん)などの漢方方剤に使われています。

保存

皮をむき、千切り、輪切りなど使いやすい大きさに切り、酢水につけてから水気をふき取り、冷凍保存袋に入れて保存します。保存期間は2週間。

類似した植物

ヤマノイモ科の植物はトコロ種といった野生種が数種類あり、いずれもよく似ています。

むかごを作るものもありますが、食用にならないものもあります。

高知県では2006年(平成18年)、静岡県では2007年(平成19年)に、ユリ科の鑑賞用植物であるグロリオサの球根をヤマノイモと間違えて誤食し、死亡する事故が起きています。

ユリ科の鑑賞用植物のグロリオサは、葉の形は似ていませんが、球根の形状が似ているのが特徴です。

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おわりに

蔓についたムカゴを見つけてから、ムカゴやヤマノイモ類が印象に残った秋でした。

ヤマノイモやナガイモは栄養価が高く、免疫力の向上や豊富な食物繊維によって腸の働きを活発にし、病気を防ぐ効果があるそうです。

その栄養の高さから江戸時代以前、精のつく食べ物としてウナギと関連付けられ、ヤマノイモがウナギになると考えられていました。

ムカゴやヤマノイモに限らず、秋には多くの実りがあります。
皆さんも実りの秋を楽しんでいきましょう!

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