【秋の果物】あけびについて【食べ方】

【秋の果物】あけびについて【食べ方】

散歩中にあけびの実がなっているところを見つけました。しかし、見つけた場所が藪のような状態だったので、よくこんなところで実を付けられるものだなぁ、と思いました。

そこで、あけびとはいったいどんな植物なのか、食べる以外に人とどのような関係がある植物なのか、調べてまとめました。

ユーチューバーのきまぐれクック金子さんも動画内で紹介していた果物です。

Advertisement

あけびとは

あけび(漢字表記は木通、通草)は、アケビ科の蔓性落葉低木の一種で、アケビ属に属する植物の総称でもあります。

茎は蔓になって他の物に巻き付いて、古くなると木質化します。

葉は5つの楕円形の小葉が掌状につく複葉で互生します。

花は4~5月に咲き、木は雌雄同株でありますが雌雄異花で淡紫色が特徴です。花被は三枚で、雄花の中央部には6本の雄しべがミカンの房状に、雌花の中央部にはバナナの果実のような6~9本の雌しべが放射状につきます。

雌花の柱頭(先端部)には、甘みを持った粘着性の液体がついていて、花粉がこの部分に付着する事で受粉が成立します。

雌雄異花で蜜も出さないので、受粉生態についてまだ不明な部分は多くありますが、雌花が雄花に擬態して、雄花の花粉を目当てに飛来する小型のハナバチ類を騙して受粉を成功させている、という仮説があります。ハエ類が甘みを持った粘着性のある物質を舐めに来る際に受粉していると考えられています。

受粉に成功した雌しべは、各々で成長して果実となり、10センチメートル前後まで成長します。

9月~10月頃に熟して淡紫色に色づきます。成熟した果実の果皮は心皮の合着線で裂けて開き、甘い胎座とそこに埋もれた多数の黒い種子を裸出します。

この胎座の部分は、様々な鳥類や哺乳類に食べられて、種子の散布に寄与します。

あけびにつく昆虫

あけびを食樹として利用する昆虫として、ヤガ科の大型のガであるあけびコノハが知られています。幼虫があけび類の葉を食べて育ちますが、静止時や外敵の刺激を受けた際には、背を丸めて胸部の眼状紋(眼のように見える模様)を誇示する独特な防御姿勢を取る事が特徴的です。成虫は口吻が硬化しており、ブドウやナシ等の果実にこれを突き刺して、果汁を吸うので、重大な果樹園害虫とされています。

他にあけびにつく昆虫で目立つのは、カメムシ目ヨコバイ亜目キジラミ科の小型昆虫であるベニキジラミです。幼虫があけびの展開前の若い葉に寄生すると、小葉が二つ折りのまま展開できずに肥厚して虫こぶとなります。幼虫はこの中で汁を吸って育ち、羽化して成虫になると外に出て自由生活を送るようになります。

成虫は体長2ミリメートルほどで、セミを小さくしたような姿です。

非常に鮮やかな紅色で、あけびの植物体上にいるとよく目立ちます。

利用

種子を包む胎座が甘みを持つので、昔から山遊びをする子供のおやつとして親しまれてきました。果皮はほろ苦く、内部にひき肉を詰めて油で揚げたり、刻んで味噌炒めにする等といった山菜料理としても親しまれています。主に山形県で、農家によって栽培され、スーパーで購入することができます。また東北地方等では、新芽(山形県や新潟県等では「木の芽」と呼ばれます)を山菜として利用しています。

他の使い道として、成熟した蔓は籠を編むなど工芸品の素材として利用され、また秋田県では、種を油の原料としています。江戸時代から明治時代にかけての頃は高級品として珍重され、明治以降生産が途絶えていましたが、近年になって復活したようです。

Advertisement

栽培

商業栽培では、品質に優れたミツバあけび由来の品種が多く用いられます。安定して実を結ぶので、人工授粉を行うことがあります。

自家不和合性があり、他品種との混植等が必要になります。あけびとミツバあけびは交雑しやすいため、ミツバあけび由来の品種に対し、あけびを授粉樹として用いることもあります。三葉種と五葉種では熟す期間が2~4週間程の差が出ます。

生薬

あけびまたはミツバあけびの蔓、葉、根、果実には薬草としての効能があるとされています。中でも蔓性の茎は木通(もくつう)と呼ばれる生薬(日本薬局方に記載の定義による)で、利尿作用、抗炎作用、通乳作用などがあり、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)等の漢方方剤に使われます。

また、木通と紛らわしいものに関木通(かんもくつう)というものがあり、あけび類とは別の種類の植物(ウマノスズクサ属)であり、腎臓障害を起こすアリストロキア酸が含まれています。名前が似ているうえに、中国などでは関木通を「木通」としていることもあるので十分注意が必要です。「木通」を利用する場合は日本薬局方のものが無難でしょう。

Advertisement

近縁種

同属なものして日本には以下のようなものがあります。

ミツバあけび……小葉が三枚。往々にしてあけびに混じって生育していることがあります。

ゴヨウあけび……あけびとミツバあけびの雑種とされています。その形態は小葉は五枚ながら緩やかな鋸歯を持つなど、両種の特徴を受け継いでいます。ただし、あけびに「ゴヨウあけび」の流通名を付けて販売している場合があります。

また、日本にはアケビ属以外のアケビ科植物として、常緑のムベ(ムベ属)が知られています。

おわりに

道で見つけて食べる以外に商業栽培されている事に驚き、薬草としての効能もあり、人々に利用されてきた事に身近な植物だったのだと感じました。

種が油の原料になり、秋田県では高級品として扱われ、明治期に生産が途絶えたものがまた復活したという話に感慨深いものがあります。

単なる山の木の実という見方が変わるかもしれません。

雑記カテゴリの最新記事