実は美味しいマコモダケについて

実は美味しいマコモダケについて

はじめに

先日、知り合いの人からマコモダケを頂きました。しかしながら、マコモダケはあまり馴染みのない作物で、どういうものかよく分かりませんでした。
そこで、マコモダケについて調べてまとめ、活用の参考にしていきたいと思います。

マコモダケとは?

マコモダケは、マコモ(真菰)と呼ばれるイネ科マコモ属の多年草に黒穂菌(くろぼきん)の一種に寄生され、肥大した新芽です。食材として利用され、古くは万葉集に登場します。

中国、台湾、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアなどのアジア各国でも食用や薬用とされています。

タケノコを優しくしたような適度の食感と、ほのかな甘味、ヤングコーンのような香りが特徴です。

くせがなく、サッと茹でたり、グリル焼き、炒め物に向いている他、新鮮なものは生食でもおいしいです。

沖縄県では「まくむ」、鹿児島県奄美大島では「台湾だーな(竹)」と呼んで、炒め物のイリチー、奄美料理の「いっき」、油ぞうめん等に用います。

中国では他にスープの具にもされ、台湾では麺類の具のひとつにも加えられることがあります。

細かく刻んで、餃子、ハンバーグ、チャーハン等にも用いることもできます。

収穫は秋で、新芽の根元が十分肥大したらすぐに収穫します。収穫が遅れると、組織内に黒い胞子が斑点状に混じるようになり、食感・食味も落ちて、商品価値も落ちてしまいます。

黒い胞子体を顔料として利用したものはマコモズミと呼ばれています。

三重県三重郡菰野町・石川県河北郡津幡町などでは町の特産品としてマコモの栽培に力を入れているようです。

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マコモの特徴と利用

イネ科マコモ属の多年草で、別名ハナガツミ(花勝美)。東アジアや東南アジアに分布し、日本では全国で見られます。水辺に群生し、沼や河川、湖等に生育しています。成長すると大型になり、人の背丈ほどの高さになります。花が咲く時期は夏から秋で、雌花は黄緑色、雄花は紫色で葉脈は平行に走っています。

種子はワイルドライスとして、肥大した新芽はマコモダケとして食用にされます。

また、マコモダケが黒く変色したものからは黒い顔料(マコモズミ)が得られ、お歯黒、眉墨、漆器の顔料などに用いられました。

出雲大社では毎年6月に「マコモの神事」が行われます。「出雲の森」から御手洗井までの道中に清い砂を敷き、その上にマコモが置かれ、宮司はその上を歩いて参進します。

宮司が踏んだマコモは御神威が宿るとされ、参拝者は持ち帰って神棚に飾ったり、浴槽に入れたりします。また、出雲大社の神幸祭でもマコモを用います。

マコモを藁苞(わらづと)のように加工した苞(しぼ)という物を神職が手にして神幸を斎行します。

健康法でマコモを用いるものが以前からありましたが、疑似科学と疑われるものも散見されます。

ワイルドライス

北米大陸にある近縁種アメリカマコモの種子は、古くから穀物として食用とされており、今日でもワイルドライスの名前で利用されています。

ワイルドライスの生育圏は、オジブワ族やメノミニー族等の五大湖地方にアメリカ・インディアンの部族それぞれの縄張りがあり、彼らの保留地で栽培されるワイルドライスは、近年になってスローフード運動の一環としても注目され、商品化もされています。

このような事情から、マコモは野生植物から食用植物への過渡期の初期段階と見られる場合があります。しかし、種子の発芽力が乾燥によって弱まる(乾燥2~3日で発芽しなくなる)ので、イネに割合近い植物でありながら、種子から栽培できる変異種の選別が行われなかったと考えられております。

従って、日本で栽培を行う場合は、種子からではなく親株から株を分ける方法を採ります。

なお近年、米国(カリフォルニア州、ミネソタ州等)、カナダ、ハンガリー、オーストラリアなどでワイルドライスの商業栽培が進められています。

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侵入種

ニュージーランドに誤って入り込んで繁殖し、侵略的外来種に指定されています。

ハワイに導入されていますが、茎をアメリカ合衆国に輸入することは、北米のマコモ属(ワイルドライス)を菌類から保護するために禁止されています。

おわりに

菌の存在一つでこんな作物が生まれるというのは、驚くべき事だと感じました。さらに、お歯黒、眉墨、漆器と昔の文化習俗、伝統工芸にも関わっていた事は、マコモダケ並びにマコモが身近なものだったのだと考えさせられます。

アメリカでは、アメリカ・インディアン(ネイティブ・アメリカン)の人々に穀物として食されていた事を知ると、やはりイネ科の仲間であると感じました。

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