スズメバチの種類と駆除について

スズメバチの種類と駆除について

自宅の軒先にスズメバチが巣を作っていました。幸い働きバチが増え、本格的に巣が大きくなる前の段階で取り除く事が出来ました。

しかし夏が過ぎ、秋を迎える頃になると働きバチの数が増え、次代の女王蜂や雄蜂を育てる時期に入るので、スズメバチの攻撃性もピークを迎えてその被害も増えます。

今回はそんなスズメバチについてまとめ、またどのように対処するのが適切なのかをまとめます。

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スズメバチとは

スズメバチは、ハチの中でも大型で攻撃的な性質を備えた種類の多いハチです。蜂というと「大きな巣で家族で生活する」、「花にやって来る」、「毒針で刺してくるから危ない」といったイメージがあると思いますが、蜂全体で見るとごく一部に限られるようです。

ちなみにスズメバチとアリは近い種類の昆虫だそうで、大雑把に括ると翅を使って空を飛ぶように進化したのがハチで、地上を歩くことに特化したのがアリです。

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日本ではクマやヘビによる被害以上に死亡例が多い昆虫です。

名前の由来は「スズメほどの大きさがある」または「巣の模様がスズメの模様に似ている」と様々あります。

旧ローラシア大陸(1億8千万年に超大陸パンゲアが分裂して誕生した北部の大陸)で誕生、進化し、ユーラシア大陸、北アメリカ大陸、アフリカ大陸北部に広く分布。分布の中心は東南アジアで、オオスズメバチ、ヤミスズメバチ等多様な種が生息しています。

旧ゴンドワナ大陸(1億8千万年に超大陸パンゲアが分裂して誕生した南部の大陸)であるオセアニアや南アメリカには野生のスズメバチはいませんでしたが、人為的に進入したスズメバチが生息域を拡大しています。

ハチは花を咲かせる被子植物の多様化と分布拡大に合わせるように白亜紀半ばの約一億年前から繁栄し始め、5000万年前に現在でも見られる主要な種類のハチが揃ったようです。

スズメバチは、スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属、ヤミスズメバチ属の四つのグループに分かれ、日本にはスズメバチ属7種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の計3属16種が生息しています。

主な種類

オオスズメバチ

大きさは女王蜂が40から45ミリ、働き蜂が27から40ミリ、雄蜂で35ミリから40ミリ、とスズメバチ類の中でも最も大型で世界でも最大を誇ります。世界ではインド、東南アジア、東アジア、日本では北海道から九州に分布し、南限は屋久島、種子島近辺まで生息。

非常に獰猛で攻撃性が強い上に、土中や木の洞などの閉鎖された場所に巣を作るので、気づかずに巣に接近してしまい、攻撃を受けてしまうケースが多いです。また働き蜂の数が増え、新女王蜂を育てる段階(秋ごろ)になると、餌を賄うために他の種類のスズメバチやミツバチの巣を襲って幼虫や蛹を略奪することがありますが、その争いの場に近づいた場合も襲ってくる事があります。

時速約40キロで飛翔し、狩りの際には1日につきおよそ100キロの距離を移動します。

体の大きさに比例して毒の注入量が多く、また強い大顎も強力な武器となっています。

コガタスズメバチ

中型の部類に入るスズメバチで、女王蜂が25から30ミリ、働き蜂が22ミリから28ミリ、雄蜂は23ミリから27ミリの大きさになり、サイズが近似した個体になるとオオスズメバチとの見分けは困難です。

巣作りの初期段階では徳利やフラスコを逆さにしたような形ですが、働き蜂が羽化してくると、首の部分を破ってボール状に変化します。

中型以下の昆虫を餌とし、木の枝や植え込み、軒下といった開けた場所に巣を作ります。巣を作る場所と餌の柔軟性からキイロスズメバチと並んで都会に適応しています。

外見的特徴と巣のあった場所から見て、自宅に巣を作った蜂はこの種だと思われます。

ヒメスズメバチ

オオスズメバチに次ぐ大きさで体長は27から37ミリ。一般的にスズメバチは、大きい順に女王蜂、雄蜂、働き蜂とサイズに差がありますが、ヒメスズメバチには特にそういった差はないようです。

都会でも見られますが、日本でのヒメスズメバチは攻撃性は低く、アシナガバチをおもに狙うので繁殖の時期が限られ、働き蜂は多くても数十匹しか増えません。土中、樹洞、屋根裏と閉鎖空間に巣を作りますが、他のスズメバチと比べると巣の規模も小さいです。

キイロスズメバチ

日本に分布するスズメバチの中で最も小型で、女王蜂25から28ミリ、働きバチが17から24ミリ、オスバチで28ミリの大きさになります。北海道以北に棲むケブカスズメバチの亜種とされています。

巣の規模が大きくなりやすい種で、直径1メートル近くのものになると1000匹規模まで数が増えます。巣を作って最初の時期は屋根裏や樹洞といった閉ざされた空間に巣を作りますが、働き蜂の数が増えて巣の規模が大きくなってくると、別の場所に巣を作って引っ越す習性があります。その結果、閉鎖的な場所から開けた場所(人家の軒下、木の枝)まで広い範囲に適応して巣を作って生息できるのです。

攻撃性が高い上に、適応力の高さから都市部にも巣を作り、被害例の多い種です。

本州、四国、九州、朝鮮半島に分布。

モンスズメバチ

コガタスズメバチに近い大きさで、女王蜂が28から30ミリ、働き蜂と雄蜂がともに21から28ミリでヨーロッパから日本まで広く分布しています。

幼虫の主な餌はセミで、バッタやトンボなども餌にします。天井裏や樹洞といった閉鎖的な場所に大きく入り口の空いた巣を作りますが、稀に軒下のような開けた場所にも巣を作ります。攻撃性はやや強いです。

セミを狩猟できる環境でないと生息できないので、近年は減少傾向なようです。

日没後もしばらく活動するのが他のスズメバチとの違いです。

チャイロスズメバチ

体長17から27ミリで、名前の通り茶色や黒の配色が外見的特徴の蜂です。

日本では中部地方以北に生息し、他のスズメバチ(モンスズメバチ、キイロスズメバチ等)の巣を乗っ取る習性があります。

キチン質の頑丈な外皮をもつのでキイロスズメバチは勿論、オオスズメバチの大顎や毒針であっても容易には貫通できず、これが対象の巣の乗っ取りの際に大きな武器となっていると思われます。

他のスズメバチの巣を乗っ取る性質から「社会寄生性スズメバチ」とも呼ばれています。

ツマグロスズメバチ

日本の南西諸島に生息する蜂で、腹部が黄色と黒色に分かれているのが特徴です。台風のよく通過する地域の特徴を反映してか、巣は地面の近くに作ることが多いです。

巣作りの初期段階ではコガタスズメバチと同じように徳利やフラスコ状の形ですが、徳利の首の部分がコガタスズメバチほど発達しません。

クロスズメバチ

体長が10から18ミリと小型で、全身が黒に白の横縞模様が特徴で、北海道、本州、四国、九州、奄美大島に分布しています。

地方によってはヘボ、ジバチ、タカブ、スガレ等と呼ばれ、養殖されて幼虫や蛹が食されています。平地の森林や畑、河川の土手等の土中に多層構造の巣を作り、6月ごろに羽化します。

茶の栽培地にとっては茶の害虫を抑制するのに役立つと、静岡県の一部でははちのこを食べる長野県側の越境捕獲者に対して捕獲禁止を訴えているそうです。

スズメバチの餌

成虫の餌は、終齢幼虫が出す栄養を含んだ分泌液です。この栄養液での不足分や幼虫が育っていない時期には糖質を含む花の蜜や樹液を摂取します。餌が少ない状況になると幼虫を食べる事もあるそうです。

幼虫の餌は基本的には主に他の昆虫類や死んでいる動物の肉で、働きバチが肉団子にして与えます。

ただしヒメスズメバチは、アシナガバチの蛹や幼虫を専食していて、獲物を咬み砕いて体液を素嚢(「そのう」 ※消化器官の一部で、食べた物の一部を一時的に貯蔵しておく器官)に溜めて幼虫に与え、成虫は幼虫からの口移しで栄養分を摂取します。

クロスズメバチは生きた昆虫ばかりでなく、カエルや蛇、さらに人間が焼き魚や茹で卵も巣に持ち帰る事があります。

糖質を含む花の蜜や樹液を摂取する、と述べましたが、アウトドアや野外でのバーベキューの際、清涼飲料水やアルコール飲料を飲みかけのまま放置すると、その飲料の缶内にスズメバチが潜り込み、再度飲もうとしたところで口を刺される事例があります。

逆に甘い飲み物やアルコール類に誘因される性質を利用して、養蜂家の中には清涼飲料水や酒を混ぜた液体を入れたペットボトル製の罠を使う例もあります。

スズメバチの巣と行動

スズメバチの巣は、枯れ木から木の繊維を唾液に含まれるたんぱく質などで固めたもので、紙に近いものです。アシナガバチの巣が和紙に例えられるのに対し、スズメバチの巣は洋紙で例えられる事もしばしばです。この材料で口が六角形の管を作り、その中に卵を生んで幼虫を育て、成長に合わせて巣を拡大していきます。
幼虫が蛹になると管の口に蓋をされ、羽化して成虫が出てくると巣の役目は終了です。

アシナガバチの場合は木の枝や軒先に口が六角形の管が集まった巣がむき出しにぶら下がっていますが、スズメバチは巣と同じ材質の外皮で巣が覆われており、保温材やアリからの攻撃を防ぐ防壁の役目を果たしています。外皮で覆われたボール状の形で、入り口はひとつという特徴なので、他のハチの巣とは容易に判別できるでしょう。

スズメバチの巣の模様は、働き蜂ごとに集める材料や場所によって異なり、それらが集まることによってできます。

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スズメバチは巣や縄張りに近づくと10メートルぐらいの距離から見張りの蜂が出てきて周囲を飛び回ります。

巣に近づいたり蜂と睨み合いになると、左右に開く顎を打ち鳴らして「カチカチ」と音を立てます。これは警告を含んだ威嚇です。(※このような警告がある時は良心的な方で、いきなり集団で襲ってくる場合がほとんど。よって蜂が飛び回って「カチカチ」という音を聞いた時は、速やかに蜂を刺激しないようにゆっくりと立ち去るとよいでしょう)

この時、蜂を手で払おうとしたり、大声を上げたり、急に大きな動きをすると蜂を刺激して攻撃態勢に入るので要注意です。

また、香水や黒い服もスズメバチを刺激するので、夏や秋頃に山や森に出かける際は、それらを使用・着用は避けた方がいいです。特に香水はスズメバチの警報フェロモンと似た成分が含まれているので集団で攻撃される危険があります。

スズメバチの天敵

無敵と思われるスズメバチにも天敵は結構な種類がいるようで、巣の外で成虫を捕食する存在として、鳥、ムシヒキアブ、オニヤンマ、オオカマキリ、クモなど。成虫に寄生するネジレバネ、センチュウといった寄生虫。

巣の中で幼虫や蛹を食べたり寄生したりするカギバラバチ、ベッコウハナアブ、メイガ等ともいます。

また、スズメバチ一匹に対してミツバチが多数でも、スズメバチが負ける例もあります。

二ホンミツバチは集団で取り囲んで蜂球を作ってスズメバチを蒸し殺しますし、セイヨウミツバチも小型のスズメバチであれば集団で取り囲み、腹周りを圧迫して窒息死させる戦法を持っています。

さらに捕食関係ではないものの、樹液を巡ってカブトムシやクワガタムシ、カミキリムシといった大型の甲虫類と争って餌場を追い出される事も。

またアリも天敵で、ボール状の巣の外皮はアリから総攻撃を受けないための防壁です。営巣初期に働き蜂の数が少ない時にアリの襲撃を受けると巣を放棄する場合があります。

秋から冬に羽化した次代の女王蜂は終齢幼虫から栄養を摂取し、雄蜂と交尾をすると巣を離れ、朽ち木などに越冬用の部屋を作って冬を越します。(越冬を行うのは次代の女王蜂のみで、他の働き蜂や雄蜂はその年の冬に寿命を迎えます)そこで無事に冬を越した女王蜂が次の年に出てきて新しい巣を作るのですが、冬眠中にコメツキムシの仲間の幼虫に捕食される事もあります。

外来種ツマアカスズメバチおよびその他

ツマアカスズメバチ

アフガニスタンからインドネシアにかけてのアジア地域が原産のスズメバチ。全体的に体が黒っぽく、腹部の先端が赤褐色となっています。茂み、低木、地中に巣を作り、コロニーが大きくなってくると木の上に新しい巣を作って引っ越します。中国、台湾にも分布し、その範囲を拡大しながら2004年以前にフランス、2003年に韓国、2010年にスペイン、2013年には日本の対馬へ侵入しています。

全ての昆虫類を餌とし、攻撃性は非常に高く、巣に近づいた者を執拗に追跡してきます。

大きさは女王蜂で30ミリ、雄蜂で24ミリ、働き蜂が平均20ミリの中型になります。

オリエントスズメバチ

地中海沿岸でよく見られる種ですが、マダガスカル島やインドでも見られ、また人間の手による移入で、南アメリカやメキシコまでその生息域を広げています。

大きさは女王蜂が25から35ミリで、雄蜂、働き蜂はそれよりも小さいです。モンスズメバチと似た外観をしていますが、腹の黄色い縞模様には太陽光をエネルギーに変換できる機能を備えているようです。

ヤミスズメバチ

東南アジアに生息し、夜行性で駆除業者が最も手こずる相手とされています。ミツバチのように分蜂して繁殖します。

スズメバチの毒と対処法

巣が近くにある場所で刺された場合、その場所にとどまると毒液のにおいで引き付けられた集団にさらに追撃されるので、その場を離れて応急処置を行いましょう。

スズメバチの毒は「毒のカクテル」と形容されるほど様々な毒性物質が含まれています。

炎症作用のあるヒスタミン、神経毒のセロトニン、アセチルコリン(多量になると呼吸不全、心肺停止の原因になります)、アナフィラキシーショックの原因となるペプチド(ホーネットキニン、マストパラン、マンダラトキシン、ベスパキニン)、たんぱく質には細胞膜を分解するホスホリパーゼ、たんぱく質を分解するプロテアーゼがあり、これらもアナフィラキシーショックの原因になります。

毒に含まれる各成分の比率や組成は種類によってバラつきがあります。

スズメバチの毒は攻撃手段であると同時に、仲間への警報フェロモンの役目を果たし、これを空中に散布、拡散させることで多くの仲間を呼び寄せます。

散布された毒液が目に入れば失明、皮膚に触れた場合は炎症を起こす危険もあり、針で指されて体内に注入されるのとは別の危険があります。

ちなみにハチの毒針は、産卵管が変化したものなので、オスのハチは毒針を持っていません。

ミツバチとは違い、スズメバチの毒針には返しがなく、何度でも刺せる構造になっているので注意が必要です。

対処法は応急処置として自分で注射するアドレナリン製剤を使う、傷口を絞って毒を絞り出す、吸引器を使って毒を吸い出す、傷口を水ですすぐ、があります。

アナフィラキシーショックの症状を抑え、患部の冷却と毒液を排出するためです。この時、口での毒の吸い出しは行わないでください。口の中に傷があった場合、吸い出しを行った人の体内に毒が侵入する危険があります。

応急処置後は医療機関を受診し、医師の診断と処置を受けてください。

アンモニアが効果があるというのは迷信なので、尿などをかけるのは止めましょう。

駆除方法

危険なスズメバチの巣とは、あまり関わり合いになりたくないものですが、生活空間や生活線上の近くに巣を作られるとそうも言ってはいられません。

しかし、スズメバチの駆除は専門の業者であっても危険の伴うものです。

しっかりと装備や道具を調え、自分で対処できるか、できないかを見極め、出来そうにない場合は素直に業者や役所(行政)に連絡・相談し、任せましょう。

自分で対処できる巣

キイロスズメバチの場合は、丸い球状で巣の大きさが10センチ未満。女王蜂一匹で営巣している時。

モンスズメバチの場合は丸い球状のように見えて、真下から見ると蜂の部屋がむき出しになっています。10センチ未満が対処しやすいでしょう。

オオスズメバチの場合はボール状の形が特徴で、蜂の部屋がむき出しになっている時が駆除しやすいでしょう。

ヒメスズメバチの場合はシャワーヘッドのような形が特徴で、巣が大きくない時が駆除しやすいでしょう。

コガタスズメバチの場合はフラスコを逆にしたような形状で、入り口の部分が長い時が対処しやすいです。

装備にはレインコート、頭部に被る虫よけネット、長靴等を着用し、蜂駆除用の殺虫剤を用意しましょう。

時期としては4月から6月が対処しやすいですが、巣が大きい場合は専門の業者に依頼した方がよいでしょう。

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時間帯は夜間に、懐中電灯に赤いセロハンを貼って赤い光を頼りに作業に当たるとよいでしょう。(赤い光はスズメバチの目には捉えられにくく、こちらの位置を分かりずらくできるため)また昼間の駆除作業は、外に出ていた蜂が作業の途中で戻ってくる危険があるためです。

スズメバチが高熱に弱いといっても火を使う駆除は、火の取り扱いを間違えると火災の原因になるので止めましょう。

蜂の死骸は毒針を上向きにして仰向けの姿勢で死んでいることが多く、たとえ腹部のみであっても触ると反応して刺してくる事があるため、取り扱いには注意。

はちのこについて

日本では長野県・岐阜県・愛知県・静岡県・山梨県・栃木県・岡山県・宮崎県等の山間部を中心に、貴重なたんぱく源として食されています。

調理方法には、甘露煮、佃煮、塩または醤油で炒る(バターを使う場合もあります)、蒸し焼き、炊き込みご飯(はちのこ御飯、「へぼめし」、「はえはちめし」とも呼ばれます)、蒸篭飯、素揚げ、生で食べる、があります。

はちのこおよびハチの巣の捕り方は駆除の場合と異なり、殺虫剤を使わずに煙幕花火で一時的に仮死状態(一分から二分間)にして、巣を採ります。

発見方法は、巣が作られていそうな場所を観察し、飛んでいる蜂の動きを見て巣の位置を特定する方法と、綿を付けた生肉、魚、昆虫等で蜂をおびき寄せて、巣に運ぶところを追跡する方法です。綿は飛翔している蜂を見つけやすくし、空気抵抗で蜂の速度を落として、追跡しやすくする役割があります。

ただし、綿が小さいと見えにくく、大きすぎると蜂が運搬をあきらめてしまう場合があります。

また蜂は直線的に飛ぶので、蜂を追っている途中で田畑を踏み荒らす要因になったり、また視線が上方に向くために足元が見えず、途中の道で転倒、転落、交通事故の原因になる例もあるそうです。

おわりに

怖い面ばかり強調されるスズメバチですが、農業にとっては害虫を減らしてくれる益虫としての面があります。

そして、日本における外来種の定着、増加を抑え、生態系を守る役割の一端を担っていると思われます。
薬としても利用されており、漢方ではスズメバチの巣を生薬とした『露蜂房』(ろほうぼう)というものがあります。

スズメバチを焼酎のような酒やハチミツに漬け込みそれらを採ると、疲労回復、体力増進、血行障害改善、美肌効果、生活習慣病予防に効果があるとされています。(※科学的根拠は明らかになっていませんが)
山陰地方では「分限者バチ」、三重県北部、岐阜県養老町付近では「オウダイバチ」、地方によっては「長者バチ」と呼ばれ、共存しながら縁起物として尊ばれている所もあります。

また、空になった巣を魔除けとして軒先に吊り下げたり、台湾のタイヤル族ではスズメバチの頭部を子供のお守りとして首飾りにしたり、と私達人間の身近な存在として扱われていたようです。

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上記のような害虫、危険な虫としての面ばかりを見て、絶滅させてしまうと余計に厄介な存在や文化の衰退・消滅を招くとスズメバチの怖さと共に考えさせられました。

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