夏野野菜を食べましょう

夏野野菜を食べましょう

暑い季節になると出回るようになる夏野菜。ハウス栽培で一年中、旬や季節関係なく野菜をはじめ食べ物が手に入る時代となりましたが、改めて季節に採れる野菜についてまとめてみました。

代表的な夏野菜の特徴

夏野菜とは読んで字のごとく、夏=夏季に収穫される野菜類を指し、カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどを豊富に含む野菜が多く、夏バテなどに効果が高い事が特徴です。

キュウリ

ウリ科キュウリ属のツル性の一年草(種子から発芽して1年以内に生長して開花、実を結び、種子を残して枯れる植物。一年草とも表現される)とその果実。キュウリの呼び名は漢字で木瓜または黄色いウリ=黄瓜から由来しています。

今のように緑色の実で、歯ごたえや味の良いものが広まるようになったのは幕末頃で、それ以前の熟した実を食べた際は苦みが強く、人気がありませんでした。

時代劇『水戸黄門』のモデルとなった徳川光圀は『毒多くして能無し。植えるべからず、食べるべからず』と評し、医者であり儒学者でもあった貝原益軒も『これ瓜類の下品なり。味良からず、かつ小毒あり』と散々な評価だったようです。

栄養価は低いものの、水分が実の95%程度を占め、水分補給用として暑い季節や地域で重宝されています。
キュウリをビタミンCを多く含む食品と一緒に食べると、ビタミンCが破壊されるとされてきましたが、キュウリに含まれる酵素の作用で酸化型ビタミンCに変異するのみで、その変異した酸化型も体内で戻り、作用も変わらないとされています。

ナス

ナス科ナス属およびその果実。温帯では一年生ですが熱帯では多年生植物(一年生植物とは逆に複数年にわたって生存する植物。多年草とも表現される)となっています。原産地はインドの東部が有力で、ビルマ経由で中国に入り、日本では奈良時代から栽培されていたようです。

ナスの実に含まれる物質は、93%は水分と糖質で、カロリーは他の野菜と比べて高い方ではありません。
ナスニンと呼ばれる成分には活性酸素の発生を抑える抗酸化作用があり、癌を抑える効果があるとされています。またコリンと呼ばれる成分は、血圧、コレステロールを下げて動脈硬化を防ぎ、胃液の分泌を促し、肝臓の働きを良くします。さらにプロテアーゼインヒビターという成分には、体内の炎症を抑え、神経痛や痔にも有効です。ポリフェノールの一種、クロロゲン酸も含みます。
連作障害を起こしやすく、何も処置(追肥など)をしない場合、5~7年以上間を開けないと障害が起きやすいとされています。

トマト

ナス科ナス属の植物で、多年生植物。南アメリカのアンデス山脈高原地帯(ペルー、エクアドル)を原産地とし、日本語では「唐柿」(とうし)、赤茄子(あかなす)、蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり)、珊瑚樹茄子(さんごじゅなす)といった別名もあります。

1500年代にヨーロッパに持ち込まれ、日本には江戸時代に持ち込まれたとされています。

最初は毒を持つベラドンナと勘違いされ、観賞用に栽培されました。

ビタミンCを多く含み、癌予防の効果があるとされ、また抗酸化作用のあるリコピンも含まれています。
赤、黄色、橙色の他、紫といった色の品種もあります。

ピーマン

ナス科の一年生植物で唐辛子の一種です。唐辛子の原産地は中南米で、辛味成分であるカプサイシンを含みますが、ピーマンにはカプサイシンが含まれていません。

緑は未成熟な実の色で、成熟すると赤色、黄色、橙色に変わるものもあります。

日本でのピーマンの呼び名の由来は、広い意味で唐辛子を指すフランス語のピマン、スペイン語のピメントとされ、明治の頃は西洋とうがらし、甘とうがらしとも呼ばれていました。

高温を好み、多湿と乾燥に弱い作物で、日本では冬から春にかけてハウス栽培という方法が採られています。
種以外の周りの果肉を食し、成熟した実の果肉は甘みがある。その一方、未成熟の実には独特の青臭い風味と苦みがあるために、子供には嫌われることが多い野菜です。

ビタミンCを多く含み、成分は緑色の実よりも成熟して赤や黄色になった実の方が多く含まれます。またフラボノイドという成分が熱によるビタミンCの破壊を軽減するので、レモンよりも多くのビタミンCを摂取することが可能です。
日本で一般的に普及したのは1950年代以降の時代になります。

オクラ

アオイ科トロロアオイ属の植物ならびにその果実。原産地はアフリカ北東部(エチオピアの辺りが有力)で、原産地、熱帯では多年生植物、日本では越冬ができず、少しの霜で枯れてしまうので一年生となります。

形から「夫人の指」と呼ばれたり、和名でアメリカネリと呼ばれ、オクラが全国に普及する以前から食べられていた沖縄県、鹿児島県、伊豆諸島などの地域では「ネリ」と呼ばれていました。また陸蓮根(おかれんこん)という異名もあります。

実を刻んだ時のぬめぬめとした粘りはペクチン、アラピン、ガラクタンと呼ばれる食物繊維で、コレステロールを減らす効果があり、ビタミンA、B1、B2、C、ミネラル、カルシウム、カリウムといった栄養素も含まれ、夏バテ防止、便秘・下痢に効く整腸作用などが期待できます。

トウモロコシ

イネ科の一年生植物で、穀物として人間に食べられている他、家畜の飼料としても利用されています。

地方によって呼び方が様々あり、トウキビまたはトーキビ(唐黍)、ナンバ、トウミギとも呼ばれます。

トウモロコシの名前は、中国の国家唐とモロコシは唐の土地である唐土(もろこし)から伝来した植物の「モロコシ」(黍の一種)に由来します。

関西方面での呼び名のナンバは、南蛮黍(なんばんきび)の略称で、高麗(こうらい)、または高麗黍と呼ぶ地域もあります。

ヨーロッパでは、フランスでは「トルココムギ」、トスカーナでは「シシリーコーン」、シチリア(シシリー)では「インディアンコーン」など、日本、海外とも「外国の穀物」と強調され、呼ばれていた作物です。

日本では主食としてはあまり馴染みがないものの、メソアメリカでは主食としている国や地域は多く、メキシコのトルティーヤは有名です。

しかし、トウモロコシは必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンが少なく、トウモロコシを主食としている国や地域では、トリプトファンから体内で合成されるビタミンB群の一種ナイアシンの欠乏でペラグラと呼ばれる病にかかりやすく、その状態が続いています。

メソアメリカで古来、石灰を加えた水で煮るという下処理を施してトルティーヤを作ってきました。この処理によってペラグラを防いでいたとされます。

ニラ

ネギ属に属する多年草で緑黄色野菜の一種です。原種はモンゴル・シベリアに自生する植物で3000年以上前に栽培化され始めたとされます。

『古事記』では加美良(かみら)、『万葉集』では久々美良(くくみら)、『正倉院文書』には彌良(みら)として記載され、古代の日本では「みら」と呼ばれていたのですが、院政期の頃(平安時代末期から鎌倉時代の間まで)、不規則に訛った「にら」が出現し、「みら」にとってかわって現在の呼び名になったとか。

栄養価が高く、β-カロテン、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、リン、鉄といったミネラルを豊富に含み、匂いの素である硫化アリルはビタミンB1と結合して吸収を良くし、代謝機能、免疫機能の向上や疲労回復に役立ちます。また整腸作用があり、古来より胃腸に効く野菜として親しまれています。

生薬としては種子を韮子(きゅうし)、葉を韮白(きゅうはく)と呼び、前者は腰痛、遺精、頻尿に使われ、賛育丹に配合されます。

後者は強精、強壮の作用があるとされています。

このように健康によい成分を多く含むニラですが、外見が毒を持つスイセンの葉と似ているので間違って食べないように御注意を!

カボチャ

ウリ科カボチャ属に属する植物で、南北アメリカ大陸を原産地としています。

カボチャの名前の由来にはポルトガル語による影響が強く、カンボジアを意味する「カンボジャ」が訛ってカボチャになったと言われています。方言によっては「ぼうぶら」、「ボーボラ」と呼ぶ地域があり、ポルトガル語で「カボチャ」やウリ類を指す「アボボラ」に由来するとされています。
他には「唐茄子(とうなす)」、「南京(なんきん)」という呼ぶ名もあり、カボチャを漢字で表記した場合の「南瓜」は中国語の「南瓜(ナングァ)」に由来します。

ちなみにハロウィンで使われる、あのオレンジ色をしたカボチャは、ペポカボチャと呼ばれる品種で、金糸瓜(そうめんかぼちゃ)もその一種です。そして英語でパンプキンと呼ばれるのは皮がオレンジ色の品種のみで、その他の種類はスクウォッシュと総称されます。そのため英語で日本のカボチャは、カボチャ・スクウォッシュとなります。

ビタミンA、C、Eなどのビタミン類を多く含む緑黄色野菜で、またデンプンを糖に変える酵素を含んでいて、貯蔵もしくは低温での時間をかけての加熱により甘みが増します。

乾燥したカボチャの種子は、南瓜仁(ナンカニンまたはナンガニン)という生薬として、条虫、回虫の駆除に使われます。

ズッキーニ

ウリ科カボチャ属の一年生の果菜(未熟な実や熟した実を食用とする野菜類)で、ペポカボチャの仲間です。
フランス料理、イタリア料理の食材として知られ、南フランスの煮込み料理であるラタトゥイユには欠かせないものとなっています。

南米でも一般的な食材とされ、油との相性の良さから鉄板焼き、フライなどに向いています。生で食べる場合は、果皮を剥くか薄くスライスして食べます。

ズッキーニをはじめとするウリ科の植物には、微量ながらククルビタシンという成分が含まれており、普通に食べる分には問題はありませんが、稀に含有量の多い個体や実がある場合があります。食中毒の事例(嘔吐、下痢等)もあるので、ククルビタシンを多く含んでいる苦みの強い個体には注意してください。

おわりに

今回の夏野菜に限らず、普段何気なく口にしている食べ物について知ると、また違った味があるのではないでしょうか?

栄養を十分に採って、気候の変わり目や夏の暑さを乗り切りましょう!

 

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